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第20回MASコンペティション オンライン発表会開催報告

2020年3月
株式会社構造計画研究所

概要

2020年3月6日に予定していたMASカンファレンス2020(第20回記念MASコンペティション)は、新型コロナウイルス感染拡大の情勢に鑑み、残念ながら中止となりました。
それを受け、イベントを予定していた同日に参加可能な発表者と関係者のみでオンラインでの発表会を開催しましたので、報告いたします。
なお、急遽決定した試験的な試みであったため、一般への告知は行わず限られた関係者のみでの開催となりましたこと、ご了承ください。

開催内容

MASコンペで予定していた発表のうち13件の発表をオンラインで行いました。
オンライン会議システムzoomを使用し、参加者は各自のPCからweb上の会議室にアクセスして参加しました。
発表内容はイベント当日のフラッシュトークセッションで予定していた内容とし、資料を画面上で共有して発表を行いました。また、それぞれの発表について質疑応答の時間をとりました。

開催日
2020年3月6日(金)

発表持ち時間
部門1:10分(発表3分、質疑5分、入れ替え&予備2分)
部門2:7分(発表1分半、質疑3分半、入れ替え&予備2分)

タイムテーブル

時間 発表タイトル 発表者
9:45~ 接続確認
10:00~ 開会挨拶/操作説明
10:05~ スマートホーム連携型昆虫追い出しシステムのPoC
アブストラクト  論文  ポスター  モデル
愛知県立大学 情報科学部
兵藤 悠也
10:15~ 群衆行動における特殊エージェントの影響検証 -養鶏場の飼育鶏密集事故防止-
アブストラクト  論文  ポスター  モデル
愛知県立大学 情報科学部
大藤 哲平
10:25~ MASを用いたSNSがテレビ視聴率に与える影響のモデル構築
発表要旨  ポスター
お茶の水女子大学 理学部
八巻 澄奈
10:35~ 駅ホームでのエスカレーター 行列シミュレーション
アブストラクト  論文  ポスター  モデル
お茶の水女子大学 理学部
内橋 夏実
10:45~ サッカーの戦術における数理的考察とシミュレーション
アブストラクト  論文  ポスター  モデル
お茶の水女子大学 人間文化創成科学研究科
堀之内 あゆ
10:55~ 休憩
11:05~ エージェントシミュレーションを用いたビル居住環境シミュレータの開発
アブストラクト  論文  ポスター  モデル
九州工業大学 情報工学部
村上 嵩大
11:15~ MAS を用いた土砂災害時における情報伝達システムの最適化に関する研究
アブストラクト  ポスター  モデル
京都大学 農学部
田中 初
11:25~ よりよい京都観光のための提案
発表要旨  ポスター
同志社大学 文化情報学部
星加 美友,松永 美海,髙倉 秀介,中江 菜々子,増田 愛子,杉田 理緒,銭谷 優希
11:32~ 婚活アプリにおける有料オプションの効果について
発表要旨  ポスター
同志社大学 文化情報学部
西村 舞花,田中 佳穂,西野 祐輝,中島 悠太
11:39~ 人と人とがどう知り合っていくのか ~大学生の友人ネットワークを例にして~
発表要旨  ポスター
同志社大学 文化情報学部
安廣 花鈴, 山口 朔楽, 谷本 賢太郎
11:46~ Instagramによる流行伝播の解明
発表要旨  ポスター
同志社大学 文化情報学部
山畠 一晃,山﨑 渚紗,杉江 真由,西本 悠馬
11:53~ 流行の推移に関するモデル作成とその分析
発表要旨  ポスター  モデル
同志社大学 文化情報学部
戎 達也, 森 達平, 永冨 美里, 林田 悠太
12:00~ パーソナリティの相互作用が社会形成に及ぼす影響
発表要旨  ポスター
同志社大学 文化情報学部
安藤 友紀,長谷川 雅起,長嶋 唯,松田 周也,室田 浩美

 

開催の様子と振り返り

初めてのオンライン開催の試みでしたが、多少の接続トラブル等はあったものの、大きな問題なく全ての発表を終えることができました。質疑応答も活発に行われました。

 
オンライン発表会中のスクリーンショット

 

zoomの使用方法については、日本教育工学会による学会全国大会のオンラインでの試行開催の運用メモを大いに参考にしました。この場を借りて感謝申し上げます。

発表はzoomの画面共有機能を用いて行いました。また、質疑応答はzoomの「手を挙げる」機能を利用し、司会が指名したのち発言してもらう方法をとりました。

その他に工夫した点は、主に以下の通りです。

  • 事前準備
    • 前日にテスト用の会議室をオープンし、決められた時間に事務局が待機して接続や発表者の画面共有のテストを行った。
    • 発表資料やzoomの使用マニュアルは事前に配布し、印刷または別画面で閲覧できるようにしておくよう参加者にお願いした。(会議に参加中はディスプレイがzoomのウィンドウで埋まってしまい、同時に資料を閲覧することが難しいため)
  • 当日運営
    • 開始の15分程度前に会議室をオープンし、接続の確認を行った。
    • 接続トラブル等を考慮し、タイムスケジュールに多少の余裕を持たせた。
    • 基本的に参加者のマイクはミュート状態とし、司会が発言者に対しミュートの解除を行った。
    • 不具合や運営上の質問はチャット機能を用い、また電話対応のためのスタッフが待機していた。
    • 複数人が1部屋から同時にアクセスする場合は、ハウリングを防ぐため、1台のPCを除いてスピーカをミュートしておくよう参加者にお願いした。
    • 質疑をスムーズに行うため、発表者は発表資料以外に質疑に利用できる資料をあらかじめPC上に開いておき、素早く画面共有できるよう参加者にお願いした。

参考:参加者に配布したzoom使用マニュアル

 

反省点としては以下のようなものが挙がりました。

  • パワーポイントの画面をzoom上で画面共有する際、発表者ツールの画面が共有されてしまう場面があった。Windowsの場合、画面上部の「表示設定」→「発表者ツールとスライドショーの切り替え」で対応できる。発表者の環境によっても挙動が異なる可能性があり、事前によく確認しておく必要がある。
  • 複数人が1部屋から同時にアクセスする際、音声のハウリングが発生し進行が遅れる場面があった。事前に注意喚起はしていたが、実際に練習しておかないと対処が難しい。
  • 上記の点も考えると、やはり事前の接続テストは必須である。上述の通り前日に時間を決めて事務局が待機する形でテストを行ったが、都合が合わずテストができない参加者も当然いたし、会が大規模になるとその方法は難しい。参加者が自身の組織内で自主的に接続テストができるよう、テストの方法や確認項目などを事前に配布できるとよい。


発表者ツールの画面

 

以下、参加者の声をいくつか紹介します。

  • 音声も聞き取りやすく、発表資料も見やすかったと感じます。また質疑応答も思いの外スムーズに行われたと思います。
  • 思っていた以上に問題なく発表会ができたように思います。同じ部屋で複数のPCでアクセスするとハウリングしてしまったり、PowerPoint資料の表示(ノートが見えてしまう)で多少トラブルがあったりしましたが、これらマイナーな点がクリアできれば今後は良いと感じました。
  • 特に使いにくいということはありませんでしたが、やはり発表者の環境によりPCスピーカーでは音声が聞き取りにくい時がありました。ヘッドフォンをつければ特に問題はありませんでした。ノウハウを積みかさねていけば、発表者の不慣れな点などにも対応できると思います。遠隔で発表を聴けるというのは今回のような状況に限らず助かる面がありますので、ぜひまた企画していただけることを期待しております。
  • 現地開催できなかったのは残念でしたが、すでに準備をしていた発表者に対する救済的な意味でもよかったと思います。私自身は仕事の片手間で聴かせていただいていたような感じで、議論には参加できませんでしたが、他の先生のコメント等、参考になりました。今後、平常時でもこのような配信をしていただけると、都合がつかない場合でも講演等を聴くことができて助かります。

 

初めての試みにも関わらず予定通り発表会を開催でき、有意義な会となりました。
運営として至らぬ点もあったかと思いますが、当日ご参加いただいた皆様はありがとうございました。

また、オンラインでの発表会等の運営について、本稿が参考になれば幸いです。

連絡・問い合わせ先

株式会社構造計画研究所 第20回MASコンペティション事務局
TEL 03-5342-1273
e-mail: mascompetition20@kke.co.jp