身の回りの複雑系

そうだ、遊園地に行こう!

新型コロナの猛威がおさまりつつあり、そろそろ遊びに出かける計画を立てている方も多いのではないでしょうか。
ここ数年は外出する機会が少なくなり、遊びに出掛ける時は思いっきり楽しみたいですね。

遊びといえば、遊園地やテーマパーク。いろいろな乗り物やアトラクションがあり、できればたくさん乗りたいなと思います。

 

ジブリパーク

2022年秋に、愛知県にある愛・地球博記念公園内にジブリパークという公園ができました。
大きなアトラクションや乗り物はありません。入場するには日時指定の予約制とのことです。口コミを見てみたところ「並ぶ」の単語が多くありました。展示を見るためや写真スポット、カフェやお土産の購入で並ぶようです。しかし並ぶ価値ありと全体的に満足度は高そうです。ジブリの世界観にどっぷり浸ると、待つ時間も苦にならずあっという間に感じるのかもしれません。

 

大阪・関西万博(日本国際博覧会 Expo2025)

2025年に大阪で万博が開催されます。万博は世界中からたくさんの人が集まるイベントです。
開催場所は夢洲(ゆめしま:大阪湾の人工島)で、アクセスを含め万博に向けて準備が進められています。

そんな中、アクセス手段の1つとして空飛ぶクルマの社会実装に向けた取組みが進められています。万博で空を飛ぶタクシーサービスの運行も計画されているようです。運賃は高いんだろうなと思ったら「初乗り680円の提供を予定」と書いてありました。加算運賃は、飛行10秒ごとに250円を加算する方式を採用予定と書かれているのもありました。目的地に到着するのにいったいいくらかかるのでしょう?!
しかし通常のタクシーを使うと90~120分ほどかかる場所が、空飛ぶクルマを利用すると30分程で到着するとなれば高くもないのかもしれません。

空飛ぶクルマが実現すれば、車で移動する場合の交通渋滞を気にすることなく、スムーズに移動することができそうです。万博を楽しむだけでなく、そこへ向かう過程も楽しめると満足度はより上がるでしょう。

 

遊園地で、より満足度があがるには!?

遊園地にはいろいろな乗り物があり、乗るためには長蛇の列に待たされる場合がよくあります。「遊園地 待ち時間」で検索してみたところ、“暇つぶし”についての内容が検索の上位を占めていました。楽しいことのためならば、長い時間でも待つ人が多いということかもしれません。しかし、楽しいことのためでも待ち時間はできるだけ少ないほうが嬉しいです。

 

混雑情報をリアルタイムで共有すると、待ち時間は減るのか?

昔は目的のアトラクションの場所に行くと、〇〇分待ちと書かれたプレートがあり、待ち時間が長すぎると諦めて他のアトラクションへ移動していました。現在はホームページなどで待ち時間が公開されているところもあり、スマホで簡単にリアルタイムの混雑情報を知ることができる遊園地が多くあります。

もし、来場者全員が混雑情報を見て行動したらどうなるでしょうか?

書籍「コンピュータのなかの人工社会」に、混雑情報と情報共有について書いている章があります。

仮想の遊園地をコンピュータ上で作り、リアルタイムに混雑情報を見ることができる人の割合を、0%、20%、40%、60%、80%、100%と変化させてシミュレーションをしたところ、40%のときに待ち時間がもっとも少ないという結果が出ました。

なぜ100%の時に待ち時間が最も短くならないのでしょうか。

シミュレーションの結果を見てみると、どうやら混雑情報を見た人は空いているところへ皆が行ってしまい、余計に混雑を発生させていたようです。40%の人だけが混雑情報を見ていると、混雑のピークがずれてちょうどよい塩梅となったようです。ちなみに混雑情報を見ることができる人でも、移動している間に混み具合が変わってしまい、かならずしも満足度は高くならないようです。

*これは仮想的な遊園地を想定したシミュレーションであり、実際の遊園地に対して行ったシミュレーションではありません。

 
 

左から、混雑状況所持率 20%、40%、100%
(上段:行列数、下段:平均滞在時間)
 
 
アトラクションの混雑情報を見ながら移動している人の割合を40%とした時の
待ち時間のシミュレーション
 
 

artisoc Cloudでのモデルの実行にはartisoc Cloudへのご登録が必要になります。
artisoc4でモデルを実行するにはartisoc または artisoc player(無償)が必要です。
 
 

待ち時間(も)楽しめる遊園地をつくろう

ひたすら並んで待つだけではなく、楽しみながら待てるといいなと思います。映像が流れていたり、マスコットキャラクターなどが近くにいたりなど、待ちながらも楽しめることがあったら待つ時間もあっという間かもしれません。同じ場所に長くいるので、ここに広告などを出すと人の目に触れる機会が増えるということもあるでしょう。

また、待つ人の体調面も考え、ベンチを配置したり、日差しの強い日に外で長い時間いることは体調を崩しかねませんので、さまざまな配慮をして場所を整えることが大切だと思います。

コロナ禍以降、人が多く集まる場所は定員を設定し予約制にしているところが多くなりました。予約が取れると混雑なく過ごせるならば嬉しいですが、予約を取るのが難しくもなりそうです。また、混雑緩和のために人数制限をしすぎても営業に支障をきたしてしまいます。多くの人の満足度が上がるような計画ができるとよいなと思います。

 

<参考情報>


過去のMASコンペティションでテーマパークを題材とした研究発表 】
・テーマパーク来場者に対する混雑抵抗の導入とその効果(第19回 2019年
・テーマパークの攻略法 ~USJのシミュレーション分析を通して~(第18回 2018年
・テーマパークを楽しむ方法(第13回 2013年


(2023年2月)