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ボイドモデル
ボイドモデルとは
 トリ(鳥)の仲間には群れているものが多いですね。 空を見上げると、トリが様々な形の群れを作って飛び回っている様子を目にすることがあります。

 トリはどのようにして、群れたままで飛び続け、同時に、しかも瞬時に方向を変えることができるのでしょうか。 どうやって互いに連絡を取り合っているのでしょうか。トリの群れにはボスないしリーダーがいるのでしょうか。

 このような問題に対して、コンピュータ・グラフィックス(CG)の世界から、思いもよらないヒントがでてきました。

 1987年にクレイグ・レイノルズ(Craig Raynolds)によって発表され、そのあまりの本物っぽさが世界に衝撃を与えました。 ボイド(Boid)というのは、鳥 (bird) に似たもの (-oid) を短くして造られた言葉です。

 ボイドモデルは、わずか3つのルールを用いるだけで、ヴァーチャルな(=仮想的な)空間の中にリアルな(=本物のような) 鳥の群れを再現できるモデルです。

シミュレーションでトリの群れを再現
ボイドは以下の3つのルールに従って、空間の中を移動します。3つのルールというのは、「衝突回避」と「整列」と「接近」です。  

①衝突回避(Collision Avoidance)
  衝突しそうな他の鳥や物体がいたら衝突しないように離れるようにします。
②整列(Velocity Matching)
  近くにいる他の鳥と移動する速さと方向を合わせて動きを同じにします。
③接近(Flock Centering)
 群れからはぐれてしまわないように、鳥が多くいるほうに近づくようにします。  




ボイドモデルをダウンロード

モデルの実行にはartisoc または artisoc player(無償)が必要になります。


 サンプルモデルは、二次元空間(つまり平面)を飛ぶ鳥のモデルとなっています。 レイノルズ(Craig Raynolds)の作成したオリジナルのモデルの動画を彼のサイトで見ることができます。



 わずか3つのルールに従って動いているだけなのに、鳥の群れは生き生きと本物そっくりに仮想空間のなかを飛びます。 また群れの正面に障害物があり、群れがいったん分離しても、その向こうで合流するといった複雑な群れの動きまで再現することができます。 今日、さまざまなCGにおいて、群集シーンを再現する技術として用いられています。

もっと読むなら
  • M.ミッチェル.ワールドロップ[田中三彦、遠山峻征訳](1996/2000)『複雑系:科学革命の震源地・サンタフェ研究所の天才たち』(新潮文庫)
  • レン・フィッシャー[松浦俊輔訳](2012)『群れはなぜ同じ方向を目指すのか』(白揚社)
  • Craig W. REYNOLDS, 1987, “Flocks, Herds, and Schools: A Distributed Behavioral Model,” Computer Graphics, 21(4), July 1987, pp. 25-34.
【キーワード】:鳥の群れ、ボイド、マルチエージェント・シミュレーション

光辻克馬(東京大学)2016年6月1日

ボイドモデル 基本情報

【モデルタイトル】:ボイドモデル(Boid Model)
【モデル考案者】:Craig Raynols
【モデル発表年】:1987
【artisocサンプルモデル作成】:構造計画研究所(玉田正樹、森俊勝)、光辻克馬
【artisocサンプルモデル作成日】:2016年6月1日



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