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マルチエージェント・シミュレーションとは

 複数(マルチ)の「エージェント」を用いた仮想実験(シミュレーション)のことを意味します。

 まず、「エージェント」という名前だけを聞いて、マルチエージェント・シミュレーションがどのようなものか想像できないかも知れません。ここでの「エージェント」の定義は、自分の周囲の状況を認識し、それに基づいて、一定のルールのもとで自律的に行動する主体のことを言います。具体的に言えば、現実では人間や生物などがそれにあたります。つまり、エージェントは人間や生物の行動をルールとして模擬して自律的に振る舞う行動主体と言えます。



 「シミュレーション」とは、予測や分析のために現実を模したモデルによって行われる仮想実験のことです。

 つまり、マルチエージェント・シミュレーションとは、複数(マルチ)のエージェント(人や生物など)に同時進行的に各々のルールをもと、お互いに干渉(相互作用)を受けながら実行させるシミュレーション(仮想実験)です。他にも、エージェント・ベース・シミュレーション(ABS)やエージェント・ベース・モデリング(ABM)と呼ばれることもあります。



 社会にはいくつもの要素が絡み合う複雑な事象があふれており、個々の人間や生物のミクロな動きだけでは想定できないようなマクロの現象があります。 これを「複雑系の現象」と言います。「複雑系」とは、個々の人間や生物の個人的な好みや行動様式(ミクロ)から推測できることが、必ずしも現象全体(マクロ)に 反映しないもののことを言います。例えば、身近な複雑系の現象として、 「鳥の群れ」、「高速道路での自然渋滞」などが私たちの生活の周りにもみられます。ムクドリなどは、特定のリーダーが指令を出しているようには見えないのに、群れを形成し、飛行していますね。高速道路を走行していると、交通事故でもないのに突然渋滞に巻き込まれ、いつの間にか渋滞が解消していることがありますよね。なぜでしょうか?

 マルチエージェント・シミュレーションは、これらマクロな現象について、個々のエージェントの相互作用が積み重なった結果として捉えて、その仕組みを解析するのに適した手法です。

 マルチエージェント・シミュレーションの考え方を用いた研究は、既に1960年代末には、コンピューターを使わずに行われておりました。その後のコンピューター技術の発展によって、より大規模で様々なマクロ現象に対象にして、コンピューター上で、多数のエージェントが自律的に動き、他のエージェントなど周囲状況と相互作用する仕組みを作り上げることが可能となりました。現在ではマルチエージェント・シミュレーションとは、この技術を用いたコンピューター上の実験のことを指しています。

参考文献
  • J.M. Epstein & R. Axtell, 1999, 人工社会-複雑系とマルチエージェントシミュレーション-(訳:服部正太・木村香代子), 共立出版, 東京
  • 山影進, 2007, 人工社会構築指南 artisocによるマルチエージェント・シミュレーション入門,書籍工房早山,東京
  • 生天目章, 1998, マルチエージェントと複雑系,森北出版,東京





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